キャッシュフローFXのベーシックプログラム
【ダウ理論】
全3回にわたってレクチャーする【ダウ理論】の第1回目です。
ダウ理論とは何なのか?
ダウ理論。
聞きなれないワードを唐突に書き始めましたが、これはテクニカル分析の基礎であり、世界中のトレーダーが意識してる相場理論です。
なぜダウ理論を学ぶかというと、
売りと買いの2大勢力のどちらが有利なのか?
を明確な基準を持って判断できるようになるからです。
今回のレクチャーではダウ理論を学んでいきますが、その基礎となるのは波形認識です。
波形認識がまだ曖昧だ、ワークをやれていないと言う方は、改めて波形認識に取り組むことをオススメします。
ダウ理論 6つの基本原則
ダウ理論は、6つの基本原則で成り立っており、チャートリーディングの基礎的な考え方になります。
- 価格(平均価格)は全ての事象を織り込む
- トレンドは短期、中期、長期の3つに分類される
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 価格は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認されればならない
- トレンドは明確な転換シグナルがでるまで継続する
ダウ理論は、19世紀の終わりに提唱された相場理論でありその対象は「株」でしたが、現在はFXの世界でも利用されています。
このダウ理論の6つの基本原則の中で何度も繰り返し出てきているキーワードがあります。
それは、
【トレンド】
です。
このトレンドという考え方を基に売りと買いの2大勢力のパワーバランスを判断するのに利用します。
トレンドとは?
ダウ理論をベースにトレンドという考え方を基に、売りと勝いの2大勢力のパワーバランスを判断するわけですが、模式図を使って説明していきます。
この模式図では、売りと買い、どちらが有利でしょうか?
多くの方が、「買いが有利!」という答えに辿り着いたと思いますが、その明確な理由はありますでしょうか?
自分の身銭を投じるわけです。
「右肩あがりだから」「なんとなく」といった理由でだけでは、身銭を投じることはできますか?
たぶん出来ないでしょう。
だからこそ、明確な理由を持って、しっかりと、確信をもって判断できる必要があるわけです。
それを可能にしてくれるのが、ダウ理論なのです。
話を戻しますが、上記した模式図は「買いが有利」です。
では、買いが有利であるという、明確な理由を説明します。
それらの位置関係から上昇トレンドと認識し、買いが有利だと判断できます。
トレンド判断の目的とは?
これまで波形は大事です!と繰り返し伝えていた理由がお分かり頂けたでしょうか?
買いと売りの2大勢力のどちらが有利なのか?という事はトレンドの有無で判断しますし、そのためには波形が必要不可欠だからです。
トレンド判断するためには波形が必要という事、しっかり認識してください。
波形の大切さは幾度と伝えていますので共感して頂けたとは思いますが、
トレンド判断の目的とは何でしょう?
それは、
- 2大勢力の有利な方を見出すこと
- 目線を固定すること
この2つになります。
波形を描き、高値と安値の推移を明確にし、その位置関係から2大勢力の有利な方を見出せるようになりました。
そのレベルまで到達したら、次は目線を固定します。
「目線の固定?!」
具体的に伝えるとすると、
トレンド判断で買いが有利と判断したら、買い目線で固定する
という事です。(売り有利であれば売り目線で固定)
なぜ、目線の固定が必要かと言うと、相場は波を描くという相場の原理原則が関係します。
上昇トレンドで買いが有利な局面でも、売りが強くなり一時的に下がる場面が発生するのです。
では、改めて模式図を使って説明します。
買いが有利な上昇トレンドですが、高値まで上昇していた価格は一旦落ち着き、売りが強くなり安値をつけます。(①→②)
その後、また上昇し高値や安値の切上げ行われます。(③や④)
目線を固定していないと、上昇トレンド中でも売りが強くなった場面(①→②や③→④)で「売りが強いから売りで入ろう」となり、
その後一気に上昇して損失が拡大していく事になります。
この損失につながるトレードを防止するために目線を固定する必要があるのです。
トレンド判断の目的についておさらいです。
その目的は、
- 2大勢力の有利な方を見出すこと
- 目線を固定すること
となります。
トレンドはいつまで続くのか?
上昇トレンドであれば、波を描きながら価格は上昇していきます。
下降トレンドであれば、波を描きながら価格は下落していきます。
いつまでこのトレンドは続くのでしょうか?
それは「ダウ理論の6つの基本原則」に答えが書いてあります。
- 価格(平均価格)は全ての事象を織り込む
- トレンドは短期、中期、長期の3つに分類される
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 価格は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認されればならない
- トレンドは明確な転換シグナルがでるまで継続する
それは6番目の「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」です。
つまり、明確な転換シグナルが確認できたらトレンドは崩壊(終了)するのです。
明確な理由でトレンド判断が出来たのであればその逆も当然ですね。
では、また模式図を使って、トレンド崩壊の場面を確認してみましょう。
ダウ理論で説明がある明確な転換のシグナルとは、
上昇トレンドの場合は、波形で描ける安値(押し安値)を下抜けした場合です
※下降トレンドの場合は、高値(戻り高値)を上抜けした場合です。
いつまでも続くトレンドは存在しません。
相場においては必ずトレンド崩壊があり、そしてまた次の波が描かれ出すのです。
押し安値と戻り高値
第1回目のダウ理論レクチャーの最後の項目になるのが、上記で出てきたトレンド継続や崩壊につながる大切な高値や安値についての説明です。
それが前記した【押し安値】や【戻り高値】という概念です。
この概念を深く理解して頂く為に、少しFXの世界と離れる話をしますがお付き合いください。
世の中には【因果】という考えがあります。
原因と結果ですね。
- 暴飲暴食という原因で、体調を壊したという結果
- マスコミに取り上げられたという原因で、売上げが上がったという結果
- 運転時スピードを出しすぎたという原因で、スピード違反で捕まったという結果
結果には、それをもたらす原因があると言う考え方です。
この考え方は、FXにも当てはまります。
チャート上に出来た価格は結果であり、その価格を作り上げた原因はとても重要である!と言うことです。
今回のトレンドに関することで当てはめると、
最高値という結果の原因である安値はとても重要であるということです。
図解で説明するとより理解が深まると思います。
上記模式図は上昇トレンドの場合ですが、下降トレンドの場合は、安値を更新した後の最安値を作った原因である高値は、呼び名が【戻り高値】となり、
トレンドが継続or崩壊する重要なラインになります。
少し呼び方が違うだけで、概念はまったく同じです。
最高値/最安値をつけた原因である【押し安値】や【戻り高値】になり重要視されると言うことです。
また、【押し安値】や【戻り高値】は移動します。
「え?!移動?!」
チャート上に押し安値や戻り高値は、1つしか存在しないからです。
理解を深めるための模式図を準備しました。
私自身、学び始めたときこの概念に戸惑いましたが、チャート上に何箇所も押し安値や戻り高値があると、逆に今どっちの目線なのかわからなくなってしまいます。
押し安値と戻り高値は1つしか存在せず、波の形状によって移動する。
それを手がかりに目線を固定すると言うことを理解してください。